富士山観光と共に発展した織物のまち、下吉田歴史散策
富士吉田には1000年以上の織物の歴史があり、今も高品質かつ多品種の織物を織る珍しい産地としてテキスタイル業界から注目されています。
今回のモデルコースでは、織物にスポットを当てながら、下吉田地区の過去と現在を巡る散策コースをご紹介します。
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下吉田駅

  • 下吉田駅
富士吉田市の中でも、下吉田という地区は豊富な水資源と地理的要因から、織物産業の重要拠点でした。織物の製造には、大量の水が必要で、撚糸加工や染色などの過程で使用されていました。
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福源寺

  • 福源寺
下吉田駅から、徒歩5分のところに「福源寺」という寺院があります。こちらは、浄土真宗本願寺派に属し、織物の歴史と深く関係しています。また、境内地にある「六角太子堂」は市の重要文化財に指定されています。
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福源寺に伝わる徐福伝説

  • 福源寺に伝わる徐福伝説
福源寺の境内には、伝説に基づく史跡「鶴塚」があります。中国の始皇帝の侍従である「徐福」は、不老不死の薬を探すため日本に派遣され、富士山に到着した後、富士吉田の地で暮らし、織物の技術を村の人々に伝え、やがて村では織物が盛んになりました。
徐福は生涯を終え、鶴に変身して1000年生きた後、福源寺境内に落ち、息を引き取ったと言われています。その為、昔は富士吉田を含む織物産地のあたりを「都留郡(つるぐん)」と呼び、今でも富士吉田周辺では地名として残っています。
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FUJIHIMURO

  • FUJIHIMURO
福源寺からすぐのところに、複合施設「FUJIHIMURO」があります。こちらは、地域の産業文化と未来の拠点とし、イベントや展示などを通じて人々や文化の交流を図ることを目的として作られました。施設内には、ギャラリーや、ワークスペースを取り入れたお試し滞在施設などがあります。

レトロな建物に行くと「富士製氷」と書かれており、かつては氷の製造工場と貯蔵庫として使用されていました。
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ギャラリー

  • ギャラリー
元々氷室として使われていた場所を、設計事務所O.F.D.Aと東京理科大学の学生の協力により、建物の特徴を残したまま、内部は氷の洞窟を連想させる空間を設計し、FUJIHIMUROのギャラリーに改装されました。改装については、建築デザイン雑誌「新建築」でも紹介されています。

こちらでは、不定期で展示やイベントが開催されています。展示は、地元の織物産業や産学協力に関連するものが多いです。
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氷室どよう市

  • 氷室どよう市
FUJIHIMUROの駐車場では、毎月第3土曜日に富士吉田・西桂の織物工場で行っているオープンファクトリーに合わせて「氷室どよう市」という小さなマーケットが開催されています。地元の野菜やクラフト、雑貨などが販売されています。
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明神橋

  • 明神橋
FUJIHIMUROからすぐのところに、間堀川と宮川が合流する地点があります。かつては、市内を流れる川や用水路から水を汲み、織物の製造過程で使用していました。また、2つの川の向こうには、富士山を見ることができます。
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福地八幡社(渡辺大明神)

  • 福地八幡社(渡辺大明神)
明神橋の隣にある「福地八幡社(渡辺大明神)」は1981年に建てられ、「渡辺大明神(渡辺源次綱)」を祀っています。こちらは、北口本宮冨士浅間神社に属しており、古くは渡辺大名神社として知られていました。

下吉田地区は、約3人に1人「ワタナベさん」と言われるほど渡辺という苗字が多いです。渡辺姓の一族は昔、地域の発展に貢献し、後に記念して神様として祀られるようになり、そのため、渡辺大明神と呼ばれるようになりました。地元の人々にとって大切な神社の1つとなっています。
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絹屋町

  • 絹屋町
福地八幡社から富士山に向かって歩いていくと、「絹屋町」という地区があり、下吉田地区の中でも、特に多くの織物問屋が集まっていました。毎月1と6がつく日に市が開かれ、下吉田で織られた高品質の織物を求めて全国から商人が集まっていました。現在、営業している問屋はほとんどありませんが、当時の建物がまだ残されています。また、建物の入り口は様々な布地を一目で見ることができるように、何枚ものガラスの引き戸が設計されています。
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絹屋町の痕跡

  • 絹屋町の痕跡
現在は「絹屋町」という地名は正式には使われていませんが、電柱には、
古い住所が残されています。機会があれば、ぜひ注意深く見てみて下さい。
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旧山叶

  • 旧山叶
絹屋町を通って、小川を渡ったところにある大きな道路を左折すると、織機の部品などを扱う商社であった「旧山叶」の大きな建物があります。こちらは、2023年に市内で開催された布の芸術祭「FUJI TEXTILE WEEK」の会場として使用されました。
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富士山の水を使った織機の動力

  • 富士山の水を使った織機の動力
家庭工場のそばには水路があり、よく見ると水車が隠れています。用水路を流れる水の力を利用して織機を動かすために使用されています。
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天神社

  • 天神社
「天神社」は地元の小さな神社で、建物の周りにはカラフルな彫刻が施されています。
こちらには、織物の仕事にまつわる神様「天棚機織姫(あめのたなばたひめ)大神」が祀られています。織物産業の発展に繋がりがあり、古くから地元の人々に信仰されてきました。
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Tenjin Factory

  • Tenjin Factory
天神社から歩いてすぐのところには、織物工場「Tenjin Factory」があります。リネン100%の織物を製造しており、富士吉田で人気のテキスタイルブランドの1つです。持続可能な織物の製造を目指して、約20年前からリネンを主体とした開発と製造を行っています。リネンは大量の水を必要とせず、雨水だけで成長することができるため、綿よりも環境に優しい素材で、速乾性や帯電しにくいなどの特性があります。タオル、スカーフ、テーブルクロス、カーテン、布団セットなど日常生活で使用できる様々な商品を展開しています。

工場はそれほど大きくありませんが、店舗が同じエリアにあり、工場の機械が稼働していないときは、見学することができます。(工場見学は電話又は公式ウェブサイトから予約が必要です)
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スカーフバッグ

  • スカーフバッグ
Tenjin Factoryでは、伝統的な化学染料を使用して鮮やかな色の商品を製造するほか、近年では植物染料も取り入れ、藍染めや柿渋(未熟な柿から搾った液を染料として使用)などを取り入れています。こちらの写真は、鮮やかに染色したリネン糸使用した「スカーフバッグ」で、様々なバリエーションがあります。
GOAL

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